未経験OK!クラウドエンジニア転職に効く資格7選ロードマップ
目次
夜勤明けの監視室で「いつまでアラート対応だけ続くんだろう」と考えていた頃、クラウド案件の設計レビューに同席させてもらったのが転機でした。未経験からクラウドエンジニアに動くとき、何を手がかりに学ぶか。私は資格学習を軸に実機を触り倒し、3〜12か月で設計・自動化の仕事に乗り換えられました。同じ境遇の人に向けて、現場で評価されやすい資格の選び方・進め方・面接での伝え方を、実務での判断基準と合わせてまとめます。読みながら「最初に予約する試験日」と「今日使う無料枠ハンズオン」を決めてみてください。
この記事で持ち帰ってほしいこと
- 未経験からのクラウドエンジニア転職で、最初に効く資格とその順番。
- 週10時間を4週間回したときの学習サイクルと、現場で刺さるアウトプットの形。
- 面接で資格を“実務の話”に変換するコツ(書類通過率を上げる見せ方)。
なぜ資格が武器になるのか(現場目線)
採用現場では履歴書1枚で「環境構築を任せて大丈夫か」を瞬時に判定します。監視オペ中心の経歴だと、設計判断ができるか読み切れず足踏みされがち。公式範囲を踏んだ資格は、基礎概念とセキュリティ意識を担保する“最低ライン”として効きます。SAAやAZ-104を持つ候補者は、面接でVPC設計やIAM権限分離の話をこちらから掘り下げても会話が途切れにくく、現場の面接官が安心しやすい。資格そのものより「公式ドキュメントを自分で読み、手を動かす習慣がある人」というサインが評価ポイントです。
未経験転職で選ぶべき主要クラウド資格
ベンダー別の王道ステップ
- AWS: CLF(基礎)→ SAA(設計)→ SOA/DAA(運用・データ)。案件の母数が圧倒的で、最初の選択に迷ったらここ。
- Azure: AZ-900 → AZ-104 → AZ-305。社内ADやMicrosoft 365を抱える企業はAzureを採用することが多く、社内調整がしやすい。
- GCP: Cloud Digital Leader → ACE → PDE。データ基盤やGKEを使う企業で希少価値が出る。
セキュリティ・ネットワークで差を付ける
- CompTIA Security+ / CCNA / AWS Security Specialty を1枚足すと、権限設計やゼロトラストの会話で一歩踏み込める。面接で「最小権限の設計をどう確認するか」を聞かれたときに具体的に答えやすい。
自動化・モダン運用を示す
- Terraform Associate、CKA/CKAD(Kubernetes) はIaCとコンテナ運用の即戦力サイン。SREやプラットフォームチームの求人で年収帯が上がりやすい。
学習コストとリターンの目安
- まず押さえる3枚:CLF または AZ-900、SAA または AZ-104、Terraform Associate。
- 余力があるときの追加2枚:CKA/CKAD、Security+ もしくは AWS Security Specialty。
- 受験費用は会社補助を確認し、補助なしなら試験をまとめて予約して退路を断つと学習が進む。
キャリアステージ別の動き方
3か月以内に転職したい
- CLF または AZ-900を最優先。模試→弱点潰し→本番を2〜3週間で回す。
- AWS無料枠やAzureクレジットでVPC/サブネット/VMを自分の手で構築・削除する。監視しか触ってこなかった人は、ここで「プロビジョニングの流れ」を体で覚える。
- 面接用に「学習→実験→失敗→修正」のメモを残し、口頭で語れるようにする。
半年〜1年で年収を一段上げたい
- SAA / AZ-104 / ACE と Terraform Associate を揃え、IaCリポジトリをGitHubに公開する。
- 監視オペの経験を「アラート削減」「構成ドリフト防止」など自動化の改善事例に言い換える。面接で数字とセットで語れると強い。
- 週10時間を学習に固定し、月1で模試を受けてスコアの伸びを見える化する。
将来アーキテクトを目指す
- AZ-305 や AWS Professional 系を視野に入れ、コスト最適化やガバナンス設計のアウトプットをブログ・スライドで公開。
- 個人環境で複数アカウント/サブスクリプションの Landing Zone を再現し、構成図をポートフォリオに載せると「組織設計を考えられる人」という印象を与えやすい。
4週間・週10時間の学習サイクル例
- 1週目:公式ドキュメントとブラックベルト動画を倍速で流し見し、出てきたサービスを手書きメモに落とす。ここは理解より「地名を覚える」フェーズ。
- 2週目:無料枠でVPC/VM/負荷分散/監視を構築→削除を繰り返す。請求が跳ねた経験があるので、作ったら必ず削除する癖を付ける。
- 3週目:模試1回目で弱点を洗い出し、IAM・ネットワーク・料金計算を重点補強。Security GroupとNACLの違いを説明できないと本番で詰まりやすい。
- 4週目:模試2回目でスコアが700台に乗ればそのまま本番予約。前日はリソースを全削除して請求を抑えつつ、暗記カードで主要サービスの上限とユースケースを確認。
- 模試スコアを週次で記録して伸びを見える化すると、夜勤後でも勉強を続けやすい。
独学・スクール・コミュニティの使い分け
- 独学:コスト最小。公式ドキュメントとハンズオンで合格は十分可能。夜勤前後は25分単位で区切ると集中しやすい。
- スクール:質問環境と添削で時間を買いたい人向け。教材の更新頻度と講師が直近でクラウド案件を持っているかを必ず確認する。
- コミュニティ:JAWS-UG や JPUG でLTすると、学習をアウトプットに変えられる。私は初登壇で手汗が止まらなかったが、これが転職面接でのネタになった。
- まずは独学+コミュニティで始め、期限が迫るときだけ短期スクールを足すのが費用対効果が良かった。
面接で資格を最大限アピールする方法
よく聞かれる質問と答え方
- 面接官は「資格で学んだ内容をどう現場に落とすか」を聞いてきます。STAR型で準備すると話がぶれにくい。
- 例:監視アラートが毎晩200件出ていた現場で、SAA学習を使ってALB+Auto Scalingを再設計し、アラートを半分に減らした話はよく刺さりました。
ポートフォリオとGitHubの見せ方
- リポジトリに README・アーキ図・Terraform コード・手順書をまとめて置くと、面接官が短時間で理解しやすい。
- Pull Requestに設計意図を書き、セルフレビューコメントを残すと「チーム開発の文脈を知っている人」に見える。
- デモURLは試験後に削除しておく。無料枠のまま放置して請求が跳ねたことがあるので、ここは口頭で注意点として話すと信頼につながる。
年収交渉で資格を武器にする
- オファー面談では、資格と実績をセットで伝えると交渉しやすい。例:「SAAとTerraform所持。現職で月次コストを15%削減した経験あり」。
- 事前に資格手当や研修予算の有無を確認し、条件面での落とし所を作っておく。
よくある失敗と回避策
- 資格コレクター化:受かった瞬間に燃え尽きてポートフォリオが空のまま、という人を何人も見ました。試験直後にアウトプットを1本書くところまでをセットにする。
- 計画破綻:教材を3つ並行して迷子になるパターン。公式ドキュメント+模試+書籍1冊に絞ると軸がぶれない。
- アウトプット不足:ブログやLTをやらないと面接で自分の言葉が出てこない。月1本の技術記事を習慣化すると、口頭の説明も滑らかになります。
ここまで読んだら実行する3ステップ
- 受験日を決めて申し込む。予約すると学習時間が自然と確保される。
- 模試を1回買い、現状スコアを把握する。弱点が見えると学習が進む。
- 無料で相談できる転職エージェントに登録し、非公開求人と市場感をつかむ。情報の更新頻度が高いので、学習のモチベ維持にもなる。
おすすめ転職エージェント
- レバテックキャリア:インフラ・クラウド求人が多く、SAA/CKA所持者の年収アップ事例をよく聞く。
- ギークリー:SRE・プラットフォームエンジニアの高年収案件が目立つ。
- マイナビIT AGENT:大手〜スタートアップまで幅広く、担当変更が柔軟。 複数登録して相性を確認し、合わなければ担当を変える。これだけで機会損失を防げます。
連絡時に伝えると刺さるポイント
- 取得済み/受験予定の資格と学習計画
- 希望するクラウド領域(例: AWS移行、Kubernetes運用、Terraform整備)
- 現職の監視・運用経験を「自動化・標準化」に転用したい意欲
まとめの代わりに
基礎系資格(CLF/AZ-900)と設計系(SAA/AZ-104)、それにTerraformを組み合わせると、書類と面接での信頼を一気に稼ぎやすくなります。週10時間×4週間で土台を固め、GitHubにIaCポートフォリオを置き、面接では自分の失敗談ごと語れるよう準備しておく。行動が早い人ほどクラウド案件に触れる確率が上がります。今決めた受験日とハンズオンの予定をカレンダーに入れて、今日のうちに最初の模試を申し込んでみてください。